管理職「あるある」 フィードバック編 部下に出来ても自分が受けとれない上司
仕事柄、組織内のしかるべきポジションの方にフィードバックをする機会がよくあるのですが、
普段は、人材育成や教育のシーンで、部下にフィードバックする側の経営者や管理職の方々も、
いざ自分が受ける側となると、いささか事情が変わってくるようです。
フィードバックを「活かせる人」と「活かせない人」に結構はっきり分かれてしまうんです。
で、残念なことに後者が意外に多いんです。
「活かせる人」は真摯に受け止めて、自分の行動や振る舞いを振り返ります。
「活かせない人」は「そんなことはない」とか「おい、これ誰が言ったんだ」とか言って
拒絶したり、犯人探しを始めます。
人は自分のことがわからない
人は社会性の動物なので、自分と他の人との関係性において何らかの調整を行わなければなりません。
そのためには情報が必要です。
人はいわゆる五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)で自分の外側の情報を集めています。
五感は外に向いているので、周りのことはよくわかりますが、そこに自分自身の情報はありません。
ですから、よく自分の口臭や体臭に気付かない人がいるんです・・・(苦笑)
そこで、フィードバックの出番となります。
少し前に、立川晴の輔師匠のお話を伺う機会があったのですが、
前座の頃は自分の姿をビデオに撮って何度も見たそうです。
死ぬほど恥ずかしくて、見ていられないけど我慢して見る。
それで、その次もまた撮って我慢して見る。
客観的に自分がどう見えるか?を意識することが、芸の上達で、とても重要だったそうです。
実は、鏡やビデオ、ボイスレコーダー等も私たちにフィードバックしてくれるものの一つなんです。
齢がフィードバックから遠ざける
話を戻します。
先ほどの社長や管理職のみなさんのほとんどの方々が
若い頃、真摯にご自分へのフィードバックを受け止めたからこそ、今の地位にいらっしゃるのだ、
と私は思います。とはいえ、いまさら耳の痛い話は聞きたくないという気持ちもよくわかります。
晴の輔師匠はこんなことも言っていたんです。
「齢をとると芸についていろいろ言われなくなってくるんです。でもフィードバックは重要です。」
(フィードバックとかさらりとおっしゃる噺家さんなんです)
で、その後こんなことも言っていました。
「ありがたいことに、私にはフィードバックしてくれる人がまだ少しいるんですが・・・
一緒に飲みに行った時に楽しい人からのフィードバックは役立ちませんね。
少々ウザい人からのフィードバックの方が役に立つんです。」
フィードバック前に飲むと効くクスリ
ここまで読んで、若い時のようにフィードバックを「活かせる人」になりたい。
でも、「昔のように出来るかなあ」と考える方向けに、
フィードバックの前に飲んでおくとよいお薬(フィードバックワクチン)をご紹介します。
使用法は簡単。以下の質問を、あらかじめ(聞く前に)自分にしておくだけ。
「どんな思いで、このフィードバックは伝えられていると思うか?」
「これまで他者からフィードバックを受けて上手くいった体験は何か?」
「そもそも他者からフィードバックを受けることに対してどんなイメージを持っているか?」
これは自分にも効くのですが、フィードバックする際、部下にも使えます。
事前に意義を共有化しておくことで、効果を高めることが出来るんです。
最後は薬の広告のようになってしまいました(笑)よかったら使ってみてください。
フィードバックについてはまだ色々あるのでまた書きます。
参考資料 コーチエィ WEEKLY GLOBAL COACH