抵抗勢力との付き合い方
仲間と1カ月に一度、組織の中でコーチングスキルをどう活用するか?というテーマで情報交換を
しています。そこで先日出たのが、「せっかく新しい提案や改善をしても、周囲に必ず否定されて進まな
い」というケースでした。
こういう事が繰り返されるうちに、あきらめてしまったり、強引に進めて感情的な対立になってしまって
いつのまにか当初の志がなえてしまう方が結構いらっしゃいます。
研修でもよくあるんです。「変化を嫌う社員ばかりでどうしたらいいの?」という質問。
原因を企業風土や相手の資質に求めがちなのですが、
私は「変革や改善に抵抗勢力は必ず登場するものだと思っていて下さい。」とお答えしています。
重要なのは「その変化を嫌う人の感情はどんな感情か?」ということです。
恐れ、不安、戸惑い・・・。
殆どの場合が、これらの感情なんです。
「これまでせっかく積み上げてきた自分の経験がゼロになるのでは?」とか
「自分のポジションが脅かされるのでは?」等など・・・
人は不安や恐れがあると動けなくなるんです。
では、この感情がどのように変わったら行動できるようになるでしょうか?
安全や安心に変わると動けるようになるんです。
ですから、提案する時のコツとして
「1カ月だけこの方法を試させてくれるか?」とか「1カ月だけこれで進めていい?」
と伝えて「うまくいかなかったら元に戻す。自分に任せてもらえないか」と言い添えるんです。
期間限定と元に戻せるという条件で抵抗勢力の安全安心を確保すると受け入れのハードルも下がります。
ひと月経って彼らが「なんだ、別に今まで通りだ」とか「ポジションは脅かされないや」と感じてくれて
安全安心がさらに増したら、そのやり方を定着させていくことはグッと容易になります。
本当にダメだったら、その時は元に戻してまた新たな算段をすればいい話です。
小さな変化の摘み重ねが組織を変えていきます。