部下との信頼関係を築く-2 「好きは正しい」
今回は、前回からの続きです。
部下が上司に抱く感情「信頼感」が生まれるしくみについて
考えていきます。
みなさんは「思考」と「感情」いったいどちらが
人の行動に働きかけると思いますか?
実は「感情」の方が、より影響を与えると言われています。
これには、脳の進化のプロセスが関係しています。
人間の脳は、大きく二層になっていますが
内側の部分、つまり進化の過程で先に誕生した部分に、
感情を司る偏桃体という部位があります。
一方、思考を司る大脳皮質は、その外側の後から誕生した部分にあります
ですから、人間の脳は「感情」が先に生じて、「思考」が追随するプロセスを踏むんです。
これを踏まえて、「信頼感」とその反対の感情「不信感」について考えてみます。
この2つを、シンプルな感情の代表格「好き」と「嫌い」とを紐つけをするとしたら
どのようになるでしょうか?
「信頼感」→「好き」 「不信感」→「嫌い」となるのに多分異論はないと思います。
さらに、脳の仕組みとして「思考」は「感情」に追随しますから
「好き」と「嫌い」にシンプルな思考の代表格である「正しい」「間違い」を紐つけするとしたら
どうなるでしょうか?
これも、
「好き」→「正しい」「嫌い」→「間違い」と紐付けするのに異論はないと思います。
では、これに基づいて
ビジネスの世界でどのような事が起こるかを考えてみましょう。
ビジネスシーンでは、上司が正論を盾にいろいろと言ってくることがあります。
この時、もしもその上司に普段から好感を持っていないと
部下は「抵抗感バリバリ」(笑)
逆に上司のことを信頼に値すると普段から感じていると
「好き」は「正しい」ですから
少々腑に落ちなくても「もっともね」となるんです。
皆さんにもなにか思い当たることはありませんか?
要は、上司が言っている話の内容ではないのです。
部下が上司に対してどのような感情が持っているかが実はキモで
それによっては、正論が通じなくなってしまうのです。
ここに「信頼感」が生まれるしくみのヒントがあります。
では、上司は、どのようにして部下との間に「信頼」を築いていけばよいか?
具体的な方法について、次回ご紹介します。