研修の最初にする2つの問い
私の研修では、初めに参加者の方へ2つの問いを投げかけています。
1つ目が
「この研修にどの位のコストがかかっていると思いますか?」
という問いです。
「講師に払っている研修費」や「会場費」等はすぐ出てくるのですが
「まだありますよ」と言うとだいたい皆さん「?・・」となります。
そこで
「もし皆さんがこの研修に出ないで、本来業務に費やしていたら生み出していたかもしれない利益や価値もコストです」
と言うと「あー!」という声があがります。
そこで2つ目
「なぜ今、そこまでのコストをかけて御社はコミュニケーション教育に投資するのでしょうか?」
という問いを投げかけて、一緒に考えていきます。
以下私の考えも入っていますが、
そこには理由があるのです。
現在、あるいは今後のビジネスシーンを展望すると、
顧客が要求するスピードは、下手をすると10年前の10倍くらいに
なっています。以前の速さで仕事をしていたら競合に負けてしまいます。
少子化による労働人口の減少で、国内の外国人労働者が増えた時、
対応が出来ないと様々なトラブルが発生し解決にコストがかかります。
新卒採用者が数年で離職すると、採用費、入社後のトレーニングコスト、
労務費等が丸々無駄になり、さらに代替の採用コストが新たに発生します。
メンバーが不満、不信感から問題行動をとるとコンプライアンスに関するリスクが高まります。万一発生した場合は計り知れないダメージを被ります。
これらにはコミュニケーションが深く関連します。つまり
組織内のコミュニケーションの不具合=ミスコミュニケーション は
組織に様々な不利益を与えるのです。
だから、組織や各企業は多大なコストをかけたコミュニケーション研修に投資して、これらの問題に対応しようと努力しているのだと私は考えています。
この問いの後、私は皆さんに伝えています。
「その時キーパーソンになるのが、皆さんミドルマネジャーなのです」
「なぜかと言えば、皆さんが現場のメンバーとの接点を担っている一番の存在だからです」と。
この2つの問いを交えてから研修を進めさせてもらうことで、皆さんの吸収力がガッーと急速に高まるのを実感しています。